今治を堪能する

denka2004-08-14

今日はかねて公約のとおり、カキ氷を食べに今治に行きました。
愛媛県下に知る人ぞ知る「登泉堂」さんのいちごミルクです。
先週行ったときは、ちょうど前日でストックが切れ、もうお盆の三日分しかいちごが残っていないという店主さんの掲示が出発前日のお店の掲示板に載っていました。(トホホ)

そこで、今回は、前日の岡山行きをキャンセルして満を持して今治に向かうことにしました。
われながら、食べ物のためには手段は選ばない、いい性格をしています。(汗)

ちょうど正午少し前に今治に着きました。
すっかりなじみとなった有料駐車場に愛車を入れて、てくてく歩くこと数分、お店よりも先に人だかりが目に付きました。

今日は、開店早々の時間帯にもかかわらず、先週トライしたときよりもはっきりとした行列ができていました。たぶん20人くらいでしょうか。行列は日陰を求めて交差点の角を曲がりながらなお続いています。
店主さんは炎天下の行列について掲示板でしきりに恐縮されていましたが、ここ数年の「讃岐うどん巡礼」で鍛えられているわれわれにはこのくらい何でもありません。秘境「谷川米穀店」では休日は店の前から川ぞいに行列が続いて橋を渡りきるまで100メートルは人の波です。
まぁ、田舎ではない街中でそんな行列をするわけにもいきませんが、20人くらいなら十分許容範囲であります。
私は、かねて用意のタオルを取り出し汗をふき、退屈しのぎのポータブルラジオを流しながら、やおらairH”を取り出して登泉堂さんの掲示板に書き込みをはじめました。まさに究極の「行列体制」です。
隣りの助手君は今回も日傘をかざしつつ「あぢ〜っ」とわめていてますが、やがて行列が進みだし、お店の中に入ります。

今回は時間帯が早かったせいでしょうか、それともお店の皆さんが行列に慣れてきたせいでしょうか、手際がよかったように思えます。
普段はやらない「合い席」ですが、炎天下でお客さんを待たせることを考えれば正解でしょう。
一瞬、学生時代によくお世話になった新幹線の食堂車を思い出しました。
合い席の相手が若いカップルでなかったら、話しかけていたかもしれません。


(中略)

シネコンで見た「スパイダーマン2」はちょっと「情けない型ヒーロー」に描かれていました。
ほかの部分は、何かコミックから飛び出してきたような非現実さとがアンバランスですが、それはそれでいいのかもしれません。
次に含みを持たすエンディングも、気楽に読めるコミック調です。


(中略)

さて、今日の最後は、ほぼ1年数ヶ月ぶりの今治の焼き鳥です。
建築探偵がここ数年、毎年通っているおなじみの「世渡」さんへ行きます。

18時の開店だと間違えて記憶していたため、予約の電話も入れずに18時ちょうどに店に向かいましたが、着いてみると店の前の広い駐車場はすでにほぼ満杯です。
「おやっ。間違えたかな?(汗)」と思いましたが、まぁ、仕方ありません。
どうやら、お盆のお祭りのため二階のお座敷では宴会があるらしく、一階の小上がりもそれなりに埋まっています。カウンター席には全然余裕がありましたが、結果的にすべりこみセーフ状態でした。
宴席となると、なにしろ焼き上がりを多人数にいっときに配膳しなければなりません。タイミングが勝負ですから、大将はすでにバイトの兄ちゃんたちを叱咤激励して獅子奮迅の活躍です。
「吉良の屋敷に来てみれば、今討入りの真っ最中♪」というのは三波春夫さんの「俵星玄蕃」の一節ですが、ひさしぶりの「世渡」さんもそんな感じ。
今回ぜひ挑戦しようと決めていたコースは、すでにいまのお客さんで手一杯ということであえなく却下。(汗)
どれだけ注文が手一杯かというと、私たちが入って15分もしないうちに大将はかかってきた予約の電話を片っ端から断りはじめました。まだ7時前なのに「もう今日は終わり」といいはじめる剣幕、これでは私たちも、あと10分映画館周辺でモタモタしていたらあやしかった展開です。
しかし、ともかく、すわってしまえばこちのもん。
気を取り直してお目当ての注文をまとめてペンで書いて若いにいちゃんに渡します。
待つことしばし、まず出てきた「皮」のおいしいこと。絶品です。
鉄板焼ならではの火のとおり具合と、甘ったるい特製のタレとがえもいわれません。
ふと横をみると、助手はビールをぐいぐい。今日は運転手でシラフの私は、仕方ないので麦茶をぐいぐい・・・。(ちょっと涙)
それを口火に次から次に出てくるトリさんのおいしいこと、おいしいこと。
期待通り、左党の助手も、甘党の建築探偵もふたりとも大満足の連続でした。


しかし、なんと言ってもここの大将のコワイところは、お客さんの顔をきっちり覚えていることでしょう。
「ここ数年通っている」と書きましたが、「飲んだら乗るな」は交通規則の基本中の基本。このため当探偵局がこの「世渡」さんへ寄るのは年に1度くらいしかありません。
本来日帰りができる距離のため、今治まで泊りがけでやってくることが滅多にないからです。
ここ数年は登泉堂さんでカキ氷を食べるようになって来る頻度も多くなりましたが、夕方焼き鳥を食べて帰るとなると誰かが帰りのドライバー役としてしらふで通す必要があります。こんなうまいもん食べてシラフというのは拷問に近いものがあります。
(助手との力関係でしょうか?今回も探偵所長がその犠牲者を買って出ました。もともと下戸でビール一杯ですぐに赤くなる所長ですから、飲まないと覚悟を決めたら気は楽です。)

したがって、そのうまさと安さにもかかわらず、気軽にちょくちょく来るというわけにもいかないのです。ちなみに、この日は前年の春の連休にすぐ近くの国際ホテルに泊まったとき以来という1年半近いブランクがありました。
しかし、大将はこちらの顔をしっかり覚えていて、「この前来たんはお袋さんと三人やったね」とのたまわれます。
これには参りました。50軒以上の焼き鳥屋さんがひしめく「焼き鳥天国」今治にあって、その四天王と謳われる人気店の大将が、山と押し寄せるお客のなかから、過去せいぜい3度しか来たことのない探偵所長と助手の顔を見分けよるんです。
三歩歩けば何でも忘れる鳥アタマの建築探偵にとってはまさにオドロキの一言であります。
ひょっとすると今治名物の焼き鳥「せんざんき」には記憶力を強化する効能があるのでしょうか?

とにかく、入店後1時間。締めの焼きおにぎりまでいただいた建築探偵と助手はすっかり満腹してしまいました。
お盆の休みはまだ何日も続きます。これ以上食べると体型の復元ができません。(涙)
まだまだ忙しい店内を察し、重いおなかを抱えてお勘定に移ることにしました。

かくして、麦茶と焼き鳥とで満腹した探偵所長は、これからお祭りだよというお城の天守閣を横にながめながら意気揚々と引き上げました。大将、また来るからねっ。